禁酒するまで②(サラリーマン時代)
一人暮らし ~休肝日はなし~
大学卒業後、商社に就職し大阪の親元を離れ福岡勤務でした。
初めての一人暮らしです。
もう誰から止められることもなく飲み放題です。
歓迎会でけっこう飲まされましたが
「私は底なしですよ~」
なんて周りの人に豪語していたくらい自分では自信がありました。
しかし、九州の人はみなさん強いですね。
完敗でした。
特に焼酎。
私はフラフラなのに、他の方々は豪快に笑っておられます。
ある種のカルチャーショックを感じたものです。
そして仕事帰りには、大概
「一杯行きますか!」
の半強制的なお誘い。
2回に1度参加される方が多い中、私は毎回参加してました。
結局週に3,4日外で飲み、自宅ではまた一人酒。
休肝日なんてなかったです。
スーツに「血」
飲み会のあったある日の帰り道、よろけながらも自宅に無事戻り、
いつも通り寝床に入った(という記憶はなかった)のですが、
翌朝着替える際、ふとハンガーを見るとちゃんとスーツが掛けてある。
「ほ~、まともや!」
と一瞬自画自賛したのですが、よく見るとスーツの袖に何か赤いものが付いている。
そうです、「血」でした。
「昨晩、一体何があったん?」
何も思い出せず不安を抱えながら、そのまま出社。
「おはようございます」
元気に挨拶するものの、周りの方々の目は複雑な色をしていました。
そして隣の部署の次長さんが
「ま、気にせずに」
なんて言葉を投げかけてくれて・・・。
ますます何があったのか不安になりました。
後日、勇気を出して上司に聞いたところ
「同席していた係長と外へ出て取っ組み合いをしていた。
君はお酒を飲んで「第4コーナー」を回るとカクンとなるね」
と言われ、私は
「自分ってお酒は好きなだけで、ちっとも強くないんやな」
とその時はじめてわかりました。
アル中の始まり ~迎え酒~
でも本当に九州の方々は豪傑というか、お酒に対して寛大ですね。
慰安旅行で2日目の朝、二日酔いで苦しんでいる私を見て、
あの隣の次長さんが手を差し伸べてくださいました。
「これを飲んでごらん。楽になるよ」
見るとコップ一杯のビールです。
私ははじめはお断りしましました。
「こんなにしんどいのにビールなんか飲める訳ない」
って思っていたのです。
でも結局はいただきました。
すると、どうでしょう。
頭のてっぺんから足の先までス~っと毒が抜け、爽快感がありました。
それを見ていた別の方が
「あ~あ、アル中が始まった」と。
私にとって最初の「迎え酒」でした。
最近のコメント