禁煙外来用「ニコチン依存症を知っていますか?」の小冊子
小冊子「ニコチン依存症を知っていますか?」
「ご自由にお取りください」
と書かれたラックに
小冊子「ニコチン依存症を知っていますか?」
というのがあったので、遠慮なく頂戴してきました。
企画 ファイ〇ー株式会社
と書いてあります。
少し中身を覗いてみましょう。
「はじめに」では
タバコが健康に悪いのはわかっているし、家族からも禁煙を勧められている、
吸える場所も年々減っていき肩身が狭い・・・それなのに、禁煙できないのはなぜでしょう?
と書かれていますが、
私の友人A君(愛煙家)が先日あった同窓会の席で、同じような質問をされたところ
「主食やから」
と、そっけなく返していました・・・(世の中、広いです)。
この冊子には
現在では、やめられない喫煙の実態はニコチン依存症であることがわかっています。
この冊子を通して、喫煙の習慣やニコチン依存症について考えてみませんか。
きっと、気軽に禁煙にチャレンジしたくなるはずです。
とあり、「依存症か~」、「禁煙ね~」程度で考えておられる方々にも
「気軽にチャレンジできる!?」って気にさせる内容だと予感させます。
ここまでは・・・。
禁煙メリットの誘導尋問
次のページには
「あなたがタバコを吸う理由は何ですか」と題されているものの、
吸うと落ち着く、仕事に集中できる、ほっとするなど、様々な理由が挙がりそうです。
と、さりげなくいなした後に
あなたの思う「禁煙のデメリット」と「禁煙のメリット」を考えてみてください、
と質問されます。
この切り返しの速さ、さすが〇ァイザー(株)ですね。(本題の「タバコを吸うの理由」は一行で終わってしまっています)
そして、すでに記載されているのが以下
禁煙のデメリット イライラする、集中できない、不安である
禁煙のメリット 自分自身の健康によい、家族の健康のためによい、お金が貯まる、タバコを吸える場所を探さなくてよい、タバコの臭いが気にならない、火の始末を気にしないでよい、ごはんをおいしく感じる
不公平です。この項目数の違い。
「ほら、禁煙のメリットの方がこんなにも多いんですよ」と言わんばかり。
というか、そのように言っています。
ほとんど「誘導尋問」のようです。
禁煙外来への強要
「禁煙に失敗した理由がわかりました。6ページをチェック」
と書いてあります。
他のページはともかく、
このページは欠かさずに読んで欲しい作者の気持ちが、ここから伝わってきます。
なので、「6ページをチェック」(引用)しましょう。
ニコチン依存症
いつでもやめられると思って吸い始めたのに、いつの間にかタバコと離れられなくなってしまうのはなぜでしょう。禁煙に挑戦しても、つい吸ってしまうのはなぜでしょう。これは、タバコの煙に含まれるニコチンが、麻薬にも劣らない強い依存性をもつからです。
そのため、現在では、喫煙する習慣の本質は「ニコチン依存症」という、治療が必要な病気であるとされています。では、タバコを吸うという行為が、どのようにして「ニコチン依存症」に至るのでしょうか。
タバコを吸うと、ニコチンが数秒で脳に達し、快感を生じさせる物質(ドパミン)を放出させます。ドパミンが放出されると、喫煙者は快感を味わいます。同時に、またもう一度タバコを吸いたいという欲求が生じます。その結果、次の1本を吸って再び快感を得ても、さらに次の1本が欲しくなるという悪循環に陥ります。この状態がニコチン依存症(=喫煙の習慣)です。
風邪を意思の力で治せないのと同じように、病気であるニコチン依存症を意思の力だけで治すことは難しいのです。最近では、禁煙治療が健康保険等で受けられるようになるなど、ニコチン依存症を治すための環境が整いつつあります。禁煙しようと思ったら、気軽に医師に相談してみてはいかがでしょうか。
禁煙の失敗→依存症だから→病気は意思では治らない→禁煙治療(禁煙外来)を受けるしかないではないか!
と言わんばかりです。いや、言ってます(もう、ええっちゅうねん!)
強要の感はぬぐえません。
禁煙外来の費用
最後の方に
「健康保険等で受けられる禁煙治療」のページがあります。
要件として
①ニコチン依存症を診断するテスト(TDS)で5点以上
②(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
③禁煙したいと思っている
④医師から受けた禁煙治療の説明に同意
健康保険等で禁煙治療のみを行った場合の自己負担額(3割負担として)は、13,000~20,000円程度です。
非喫煙者の健康保険料負担のことを考慮して「治療のハードル」を設けています。
私はこの自己負担額内(30~40箱程度)で医師に頼らずにチャレンジするべきだと考えますが・・・。
もっとも、あなたの決意しだいで、禁煙は無料なんですけどね。
「なるほど」と一歩前進してもらおう、というのが
フ〇イザー側の狙いなのでしょう。
「お医者さんと一緒に禁煙を!」なんてCMを見るたびに、
人の弱みに付け込んでくるなあ、って気がするんですが。
お医者さん=安心感ってことで・・・。
禁煙のお薬
最後に
「禁煙の薬「飲む」「貼る」「かむ」」(巻末より)
(飲む)ニコチンを含まない飲み薬
1日2回、食後に飲みます。飲み始めてから8日目に禁煙を開始します。通常、12週間、服用を継続します。医師の処方が必要です。
(長所)一定の要件をみたすと、健康保険が適用される。飲むだけなので簡便。ニコチンを含まない。肌の弱い人でも使用できる。接客などの職種や歯、顎の問題などでガムをかめない人でも使用できる。
(貼る)ニコチンパッチ
ニコチンを含んだ皮膚に貼る薬です。1日1回、上腕やお腹、背中などに貼ります。標準的な使用期間は8週間です。皮膚のかぶれを防ぐため、毎日貼る場所を変えるとよいでしょう。薬局・薬店で購入するタイプと、医師に処方してもらうタイプがあります。
(長所)人に気づかれない。接客などの職種や歯・顎の問題などでガムをかめない人でも使用できる。医師に処方してもらうタイプは、一定の要件をみたすと健康保険等が適用される。
(かむ)ニコチンガム
ニコチンを含んだガムで、口の粘膜からニコチンが吸収されます。1回の使用量は必ず1個とし、禁煙し始めは吸いたくなったときに我慢せずにかみ、次第に減らします。かみ方は普通のガムと異なりますので、十分に理解してから使用しましょう。
(長所)タバコが吸いたくなったときにいつでも使用できる。ニコチン補充と同時に口寂しさも紛らせる。
以上、ほとんど引用でしたが、ご参考になりましたでしょうか。
治療薬メーカー、ファ〇ザーの冊子だけに「強引な禁煙治療の説得」が印象的でした。
豪のタバコ増税の影響
今後、タバコの値段は「天井知らず」に上がっていきそうに思えます。
オーストラリアでは、2020年に1箱(25本)が3,200円になるとのこと。
「たばこ1箱3200円に=豪が増税、愛煙家は悲鳴」(時事通信)
来年の消費増税がどうなるか、熊本地震の影響、それに東京五輪でかさむ費用などを考えると
諸外国に影響されやすい日本の政治家さん達、安易な「タバコ増税」を言い出しそうな気がするんですが・・・。
この際、禁煙外来を利用するなり、ご自身でスパッとご決断されるなり、
方向性としては、禁煙されるのが良いと、強くお勧めいたします。
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