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吾妻ひでお「アル中病棟(失踪日記2)」が教えてくれたこと


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日本が世界に誇るコミック、アニメ。

私は10代のころの「巨人の星」以来、

コミックを手にすることがなかったのですが

40数年ぶりに読んでみました。

 

吾妻ひでお「アル中病棟 失踪日記2」。

アルコール依存者の入院生活について、そして

断酒について氏から教えられること「大」です。

 

面白く、同時に考えさせられます。

もし自分が入院したら・・・。

現実にアル中の、それも知らない人たちが周りにウヨウヨいて

どれだけ不安なんだろうって・・・自分もアル中ですが。。。

吾妻氏は退院後、断酒を続けられているそうで

そのヒントも本書に書かれているように、私には感じられました。

 

伝わってくる院内の空気

アルコール依存症だったとはいえ、幸いにも入院経験のない私には

大変興味深く、また面白く読めました。

ご本人の実話を元に書かれているので説得力もあり、漫画なので病院内の雰囲気もわかりやすく、

これまで読んできた2,3の書物では掴みにくかった「院内の空気」みたいなものが伝わってきました。

アルコール依存症による入院ともなれば

「ちょっと構えてしまう」イメージがあります。

どんな病室なのか(鉄格子なんかある?)、怖い患者さんもいるのでは?、どんな治療されるのか?

等々について、コミックなのでコミカルに描かれていて(特に多数の登場人物の個性がおもしろい)、

実際とは多少ギャップもあるんでしょうが、おおまかな流れはつかめます。

 

治療プログラム

約3ヶ月の治療プログラム~3期あり

 

1期(1~2週間)  離脱症状の治療期間

 

2期(約6週間)  任意契約(自由だということ)、散歩が許される(範囲はあり)、抗酒剤(シアナマイドorノックビン)の服用(毎朝)、自助グループ(AA、断酒会への参加・・・推奨)

 

3期(約4週間)  退院準備期間(外出、外泊訓練)、自助グループへの参加(必ず)

 

と、だいたいこんな流れです。

集団生活なので決まりごとや「自治会」なんかもあって、

順繰りで会長以下いろんな役員もしないといけないみたいです。

まるで普通にある「町内会」とかわりませんね。

 

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自助グループと関係が深い病院

読み終えて思ったことは

「病院は自助グループとの関係が深いなあ」

ということ。

入院後2期に入れば、AAや断酒会へ決まった曜日(自由選択)に行くようです。

2期は推奨で、3期からは義務としてプログラムされているとのこと。

そこで、悲惨な話を聞いては断酒への誓いを新たにする(同じ話を何度も聞くこともあるようですが)。

典型的な「辛抱」によるパターン。

確かに頼りがいのある方もおられたり、励ましの言葉も周りからもらい勇気付けられたりと

それはそれで結構なことです。否定はしません。

ただ

「退院後の1年後の断酒率は20%。再入院したり、または入院回数が多すぎて病院から断られたり。

なかには病院を転々として、それを自慢する人もおられるそうで・・・」(P279)

退院後、行方不明になったり、亡くなったりする方も少なくないとか・・・。

やはり、我慢にも限界があるのかなあとは思います。

 

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退院後も多数派の中で不安あり

吾妻さん自身も本書の最後に退院されますが

「不安だなあー。大丈夫なのか、俺・・・」

ともらされています。

それは飲酒者としての「少数派」(依存症者)が「多数派」(依存症者以外)の中で溶け込めるのか、

「多数派」の常識の中で自分を律することができるのか?

という不安なのでしょう。

実際のところ、ご本人はそのまま断酒を継続されていると、他の本で知りました。

上に書いた20%の中におられるわけです。

一度入院までするってことは、それほどにダメージを受けていて

回復するのは相当に難しいということなのでしょう。

 

「素面(しらふ)って不思議だ・・・」

本書に出てくるほとんどの患者さんたちは、

「もう酒を断つぞ!」

なんですが、なかには「退院したら飲むぞ!」(えっホンマに?でも現におられるようです)

って宣言する人もいたりします。

 

そんな周りの雰囲気の中で、

吾妻さんは少しちがう一面があったように思えました。

 

それはある自由日課の日(休みの日)に帰宅後、

自宅近所の見慣れているはずの風景を見て

 

 

「素面って不思議だ・・・」(P169)

 

と思われた場面です。

 

私なりの解釈で、これは回復のサインだと思いました。

酒に犯されていない自分って風景が違って見える・・・。

長い間忘れていたものを思い出したときの喜び。

 

この思いを大切にしていけば、過去の酒まみれの日々から逃れられるかもしれない。

 

ひょっとして、素面ってのは、今まで思ってきたのよりも「いいもの」じゃないのか?

 

って気持ちがふっと湧き上がってきたような、そんな印象を受けました。

 

入りたくはない、アル中病棟

禁酒のし始めのころは、離脱症状もあって、きびしいものです。

数日かもしくは1,2週間も経てば必ずこのような

「素面の自分を喜べるとき」がやってきます。

それまでは根性であろうが、なんであろうが継続してください。

 

「不安だなあ・・・」の気持ちは、この本にも書かれているように誰にだってあります。

あなただけではありません。

誰だってアル中病棟には入りたくないのです。

吾妻さんからもそんな風に教えられているように私には思えます。

 


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